全銀システム(全国銀行データ通信システム)とは、日本国内での銀行間の相互の送金をオンラインで実現するシステムです。
世界に類を見ない規模のシステムでありながら、1973年にスタートしてから、大きな障害なく運営してきましたが、2023年10月に障害が発生し、大きな話題となりました。
この記事では、全銀システムとは何か、簡単に分かりやすく解説しています。
はじめに
今日のテーマは、銀行に関係するシステムについてなのかな?
そう!最近話題になった全銀システムというシステムについて解説してみようと思うぞ。
国内の銀行の間の資金のお金の移動に使われているシステムだ。
日本のほぼすべての銀行が利用している、超重要システムだぞ。
わ~!そんなところにもシステムが使われているんだね・・・
この記事では、
「田中さんが鈴木さんの口座にお金を振り込む」
という簡単な振込行為を例にして、仕組みを解説していくぞ!
振込の仕組み
まずは振込の全体像を見てみよう。
ここでは、ざっと全体を眺めるだけでOKだ。
うわ。。。なんだか難しそう・・・
この時点でちょっと、くらっとするかも
大丈夫!一つ一つ理解していけば、全体が理解できるようになるぞ。
まずは図をシンプルにして・・・
赤枠で囲った、
・全銀ネット
・全銀システム
・日本銀行
の三つを見ていこう!
まずは全銀システムからだな。
正式名称は「全国銀行データ通信システム」というぞ。
このシステムが銀行と銀行の間にいて、「内国為替」が実現しているぞ。
内国為替、というのは聞きなれない単語だが、国内の銀行間でのお金の移動のことをさしていると思ってくれ。
さっきの全体像でも、中心にいたから、なんとなく重要そうだとは思ったよ!
次は全銀ネット。全銀システムはシステムだけど、全銀ネットは組織の名前だ。一般社団法人というのも聞きなれないと思うが、まぁ、株式会社のようなものだと思っておけばいい。
一般社団法人は、株式会社と違い、「非営利」活動を行う点に違いがあります。
全銀ネットは、全銀システムの運営をしている組織なのね。
「資金清算機関」って?
あとで詳しく説明するが、
「システムである全銀システムの代わりにお金を支払う役目を持っている」
という風にだけ今は思っておいてくれ。
最後は日本銀行だな。
説明の最後に登場するぞ。
「日本銀行は、日本にある銀行の口座を持っている」
これだけ後ででてくるから、覚えておいてくれ。
田中さんのお金が、鈴木さんの口座に振り込まれるまで
ここからが本番だ。
「田中さんのお金が、鈴木さんの口座に振り込まれるまでの流れ」を、図解付きで見ていくぞ。
まずは田中さんが銀行に振込依頼をするところね。
私は最近ネットで依頼することが多いかな・・・
この依頼を受けると、田中さんの口座がある田中銀行が、
田中さんの口座からお金を差し引くぞ。
ここまでは経験があるからわかりやすいな!
この後に出てくるのが全銀システムだ。
田中銀行は全銀システムに対して、「為替通知」を送るぞ。
「為替通知」って、何?
「為替通知」は、「誰がいくらをどこの銀行のどこの会社に振り込むか」という情報のことだ。
今回の例の場合には、
「田中銀行の田中さんの口座から、鈴木銀行の鈴木さんの口座に、1万円振り込む」
という情報のことをいうぞ。
なるほど、通知してから、実際にお金を移動させるんだね!
ところがどっこい。
為替通知の時点だとお金は移動しないんだ。
これが全銀システムのポイントの一つだぞ。
次に全銀システムから鈴木銀行に「為替通知」するぞ。
さっきと似たようなことを言っているね。
これって情報を横流ししているだけなのかな?
いったん、シンプルに考えるためにそんな感じにとらえておいてくれ
実際には全銀システムと各銀行の間には、「中継サーバー」と呼ばれる、情報を各銀行向けの形に変換するサーバーが存在します。
ので、厳密には横流しではなくワンクッション挟まりますが、その部分まで細かく図にすると、全銀システムをもう少し詳細に説明する必要が出てきてしまうので、この記事ではあえて「中継サーバー」については触れないようにします。
その後、全銀ネットが鈴木銀行にお金を立て替え払いするぞ。
え?
あ、あぁ、これが「資金清算機関」ってことなのね・・・
それはわかったけど・・・
うーん?なんかおかしいな・・・
最終的に鈴木さんの口座に鈴木銀行がお金を増やして完了だ!
あれ?これでおしまい?
これだと全銀ネットが損した状態で終わってない?
おっ、よく気づいたね!
この状態だと田中銀行からお金が出て行ってないし、全銀ネットがそのお金を立て替え払いした状態になってしまっているな。
なのでこの後に待っているのが「清算処理」だ。
こういう風に帳尻があっていない部分を、合わせる処理を行うぞ!
清算処理
清算処理で重要になるのは、どの銀行がどの銀行にお金を移動させたか、という情報だ。
あ!「為替通知」!
そう、「為替通知」がまさにその情報だね。
この「為替通知」の記録は、全銀システムの中にちゃんと記録してあるぞ。
振込元の銀行のことを「仕向銀行」、振込先の銀行のことを「被仕向銀行」と言います。
この記事の中ではもう出てきません。
一件だけなら都度処理をすればいいんだけどね。
実際には膨大な取引量になるからね・・・
全てまとめて一日の終わりに処理するように作られているぞ。
確かに1万円とかの単位で一回一回お金のやり取りしていたら、大変なことになりそうだね・・・
全銀システムは記録から差額の計算を行って、その情報を日本銀行に通知するぞ。
あれ?なんでここで日本銀行が出てくるの?
日本銀行は各銀行の口座を持っているんだ。
いわば、手元に各銀行のお財布を持っている状態なんだよ。
だからここで銀行間のお金の移動をさせる役割を担っているんだ。
今回の場合には、全銀ネットが立て替えた金額を田中口座から回収して、それを全銀ネットに渡して終わりだ。
実際には、もっと銀行の間でのプラスマイナスを考慮してお金の移動がされているぞ。
これで振込~清算までの一連の処理は完了だ。
これを毎日繰り返していて、日本の国内の口座間の移動は成り立っているぞ!
最初は全然わからなかったけど、今はちょっとわかった気がするよ!
まとめと補足
正直この解説を考えるのはむずかしかった・・・
システムの解説というよりは、ほとんど銀行の仕組みについての記事になっちゃったな・・・
けどこれで全銀システムの全貌はばっちり!
ちなみに、この記事で解説しているのは振込金額1億円未満の場合だぞ。
え!もしかして、1億円以上だとまた別の仕組みだったりする?
件数としては全体の1%に満たないんだけどね。
1億円以上だと「為替通知」のタイミングで即日本銀行の口座の間で決済されるぞ。
・・・額が大きいから、金額の割合としては大きい?
ちょっと調べてみるね・・・
お~ご明察!
1億円以上の取引(大口内国為替取引)は金額では全体の約7割を占めるね・・・
うわ~そっちも重要だね・・・
とはいえ、それ以外の仕組みとしてはほぼ同じ。安心してOKだぞ!
もし機会があったらもっと深堀した記事も書いてみよう!
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